桐生の水面を語る上で外せないのが、淡水特有の硬さと、上州名物「赤城おろし」の存在です。レース場が位置する阿左美沼は塩分を含まない淡水水面であり、海水に比べて浮力が小さく水面が硬いという特徴を持ちます。体重の重い選手は沈みやすく、ターン時に艇がバウンドしやすい過酷なコンディションです。
これに拍車をかけるのが、赤城山から吹き下ろす冷たく強い北西の風、通称「赤城おろし」です。秋から春先にかけての桐生では、風速5mを超える強風が日常茶飯事となります。スタンド側から対岸へ向かって斜めに吹き抜ける風(左横風〜追い風)は、第1ターンマーク付近で複雑な乱気流を発生させます。
「風速5m以上の追い風」が吹いた場合、1コースの艇はターンマークで外へ大きく流れやすくなり、差しや捲り差しのスペースが大きく空きます。逆に「強い向かい風」が吹くと、低気圧による出足不足と相まってスロー勢のスタートが立ち遅れ、カド4コースや5コースの強烈な捲りが炸裂します。四季ごとの風向き変化と気圧の相乗効果を把握することこそが、桐生攻略の第一歩です。