ひと口に「おしぼり」と言っても、店ごとのスタイルは実に多様だ。伝統的な高級料亭では、しっとりと水分を含んだ厚手の木綿タオルを三つ折りにした上で、端を美しく揃えて提供する「角畳み」が主流とされる。角がピシッと立った佇まいは、端正な凛とした空間演出に一役買っている。
一方で、賑やかな居酒屋やバルで重宝されているのが、素早く提供できて手に馴染みやすい「丸め(ロール)型」だ。しかし、ただ丸めれば良いわけではない。巻き終わりの端をわずかに内側に折り込むだけで、崩れにくく、ほどく瞬間の滑らかさが一変する。日本の飲食業を支えるこの細やかな工夫こそが、海外からも絶賛される日本のおもてなし文化の原点と言えるだろう。