原作者の長谷川町子が終戦直後の焦土のなかでサザエさんを生み出したとき、根底にあったのは「暗い時代だからこそ、からりと笑える明るい家庭劇を届けたい」という祈りにも似た情熱だった。
その精神は、時代が移り変わり、アニメーションのフォーマットが定着したあとも脈々と受け継がれている。本作が単なる時代劇にならず、上質なファミリー・コメディとして機能し続けている理由は、描かれている感情の機微が極めて普遍的だからだ。
テストで赤点を取ったときの焦り、夕飯のおかずをめぐる小さな駆け引き、家族に褒められたときの誇らしさ。時代設定が昭和40年代で固定されていようとも、そこで交わされる喜怒哀楽は、いつの時代の人間にとっても等身大の真実なのだ。磯野家の時計が止まっているからこそ、私たちはいつでも安心してあの茶の間に帰ることができる。 (出典: サザエ さん 時代 設定(Yahoo!ニュース))
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