政策決定のトップと、教育が実践される学校現場との間には、依然として埋めがたい断絶が存在します。文部科学省が公表した公式統計データを直視すれば、文部科学行政の抱える課題がいかに待ったなしの危機であるかが数値で証明されています。
公立学校における教員採用試験の競争倍率は、全国平均で2.5倍を下回る過去最低水準を記録し、東京都などの一部自治体では小学校教員の倍率が1倍台にまで低迷しました。優秀な人材の獲得競争に敗れるだけでなく、精神疾患による病気休職者数は年間6,000人超と過去最多レベルで高止まりしています。さらに、小中学校における不登校児童生徒数は30万人を突破し、通常学級の教育システムそのものが機能不全に陥っていることを如実に示しています。
教員組合や現場の教諭が手記やSNSで明かす告白は切実です。「定時退社を促すアナウンスが校内に流れても、持ち帰り仕事が増えるだけで何も解決しない」「文部科学省が次々と打ち出す『ICT教育推進』や『探究型学習』は理念としては正しいが、それを現場に落とし込むための人員増員が伴っていない」という声が現場の偽らざる本音です。大臣が記者会見で「きめ細やかな指導体制の構築」を強調すればするほど、現実の人手不足にあえぐ現場との温度差は広がり続けています。