1963年、日本コロムビアから彗星のごとくデビューした舟木一夫。鮮烈なデビュー曲となった映画『高校三年生』の主題歌は、またたく間に全国の若者の心を掴んだ。学ランをビシッと着こなし、哀愁を帯びた爽やかな歌声を響かせる姿は、戦後復興を経て高度経済成長へと向かう日本に、眩しい青春の光を吹き込んだのだ。
橋幸夫、西郷輝彦とともに「御三家」と称された時代、その人気はまさに狂乱とも呼べる凄まじさだった。毎日のように超過密スケジュールをこなし、NHK紅白歌合戦の常連としても茶の間の人気を独占。青春歌謡の旗手としてトップを走り続ける一方で、多忙を極める日常は一人の青年としてのプライベートを根こそぎ奪い去っていった。