場面緘黙症の真相|なぜ家では話せるのに外では声が出ないのか

場面緘黙症の真相|なぜ家では話せるのに外では声が出ないのか

場面緘黙症の真相|なぜ家では話せるのに外では声が出ないのかの概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

「話そうとすると、喉の筋肉がギュッと固まって呼吸すら苦しくなる」「頭の中では言葉が溢れているのに、声帯が凍りついたように動かない」。当事者の手記や臨床インタビューで語られるのは、本人の意思とは無関係に発動する身体的な拒絶反応です。

場面緘黙症の原因と特徴を理解する上で外せないのは、これが単なる性格の問題ではなく、脳内の扁桃体が過剰に興奮することに起因する不安障害と社交不安症のスペクトラムに位置付けられるという事実です。本人は周囲を無視したいわけでも、意固地になっているわけでもありません。「話すこと」に対して過剰な防衛反応が働き、闘争・逃走反応の一環として身体がフリーズしてしまうのです。

それにもかかわらず、家庭内ではリラックスして流暢に会話ができるため、保護者や教師から「家では普通に喋れるのだから、学校でも頑張れば言えるはず」「甘えているだけだ」と誤解され、叱責や無理強いを受けて症状が悪化するケースが後を絶ちません。この認知のズレこそが、当事者を最も深く追い詰める構造的要因となっています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。