彼女を語る上で、名門・山本家の血脈と家族の物語を外すことはできない。伝説の格闘家である兄・山本“KID”徳郁、そして女子レスリング界の先駆者である姉・山本美憂。幼少期から父・郁榮氏の厳しい指導のもとで切磋琢磨した日々は、彼女の骨格を形作った原点だ。
兄・KIDの早すぎる旅立ちという深い悲しみに直面した際も、家族はお互いを強く抱きしめ合い、前を向いた。リングやマットで命を燃やした兄の魂は、今も妹の胸の中で確かに息づいている。どれほど過酷な状況にあっても決して下を向かない「狂気のポジティブさ」と「深い情愛」は、山本家という類まれな環境が育んだ唯一無二のギフトなのだ。