物語のヒロインである妹の節子は、作中設定で満4歳です。昭和20年(1945年)の神戸大空襲の場面から物語が本格化しますが、清太の背中におんぶされ、母親を求めて泣きじゃくる姿はまさに幼児そのものでした。
一方、妹を守ろうと奔走する兄・清太の年齢は14歳の中学校3年生です。2人の間には10歳という大きな年齢差がありました。思春期真っ只中の14歳の少年が、親を失った極限状態の中で4歳の幼児の命を預かるという構図自体が、当時の戦争がもたらした過酷な現実を浮き彫りにしています。
幼い節子は社会のシステムや戦争の理不尽さを理解できるはずもなく、ただ空腹と寂しさに耐えながら、兄の温もりだけを頼りに生きていました。わずか4歳という年齢を知ると、彼女が直面した悲劇の重さがより一層際立ちます。