通勤電車のドアが閉まり、次の駅まで逃げ場がなくなった瞬間に、突然胸が締め付けられるような感覚を覚えるケースは少なくありません。自律神経失調症による電車内でのめまいや動悸は、本人の意志とは無関係に自律神経のバランスが急激に崩れることで発生します。
人間の体内では、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」がシーソーのようにバランスを保っています。しかし、慢性的な過労や睡眠不足、精神的ストレスが重なると調整機能が破綻。満員電車の密閉感、酸素の薄さ、他者との距離の近さといった物理的ストレスが引き金となり、交感神経が一気に暴走します。
その結果、血圧や心拍数が急上昇し、電車内で息苦しい感覚や自律神経の過剰緊張による過呼吸、激しいめまいが誘発されます。「倒れてしまうのではないか」という極度の恐怖を感じますが、これは生命の危険を察知した脳が誤作動を起こし、防衛アラートを鳴らしている生理現象に他なりません。