委任者とはどっち?受任者との違いや委任状の正しい書き方を徹底解説

委任者とはどっち?受任者との違いや委任状の正しい書き方を徹底解説

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ネット上の情報では「委任状を一度書いたら途中で取り消せない」「委任者が亡くなっても代理権はそのまま続く」といった誤解が散見されます。しかし、民法の条文を紐解くと、事実はまったく異なります。

民法第651条第1項により、委任契約は「各当事者がいつでも解除することができる」と定められています。委任者はいつでも受任者への委任を取り消す権利を持っています。ただし、無制限に許されるわけではありません。民法第651条第2項には、相手方に不利な時期に解除した場合や、相手方の利益をも目的とする委任を解除した場合、やむを得ない事由がない限り委任者の解除権と損害賠償の義務が発生することが明記されています。

また、実生活で極めて大きなトラブルに発展するのが委任者死亡時の契約効力です。民法第653条第1号により、委任契約は「委任者または受任者の死亡」によって当然に終了します。本人が亡くなった瞬間、発行されていた委任状はすべて法的な効力を失います。

遺族が「生前に本人から預かっていた委任状」を使って故人の銀行口座から預金を引き出す行為は、民法上の無権代理にあたるだけでなく、金融機関に対する詐欺罪や他の相続人との間で深刻な遺産分割紛争を引き起こします。死亡後の手続きを法的に委任したい場合は、通常の委任状ではなく、公証役場で作成する「死後事務委任契約」や「遺言代用信託」などの法的手続きを個別に踏む必要があります。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。