なぜ軍手には「組」や「本」ではなく「双」という漢字が使われるのでしょうか。その語源は、古代中国における漢字の成り立ちにまで遡ります。「双」という文字の旧字体は「雙」であり、これは2羽の鳥を手で掴んで並べた様子を表した象形文字です。ここから転じて、「左右対称で2つ揃って初めて完全な機能を果たすもの」を指すようになりました。
日本でも古くから、左右一対で部屋を仕切る「屏風(びょうぶ)」を「一双(いっそう)」と数えてきました。明治時代以降、西洋から革手袋やメリヤス手袋が普及した際にも、この伝統的な概念が適用され、作業用手袋や軍手も自然と「双」で数えられるようになったのです。機能美と対称性を重んじる日本語ならではの奥深い由来と言えます。