「現状維持は退化と同じ。君たちは日本国内の常識を一度捨て、世界基準で物事を考えてほしい」
マイクを握った柳井正会長兼社長の言葉は、集まった新卒入社式のメンバーの胸に深く突き刺さった。温かい歓迎の挨拶を期待していた者にとっては、冷や水を浴びせられたようなショックだったかもしれない。しかし、これこそが同社を世界3位の衣料品セレクト・製造販売企業へと押し上げた原動力そのものだ。
柳井氏が強調したのは、変化の激しい国際社会において、従来の「日本の大企業に入社した」という安堵感がどれほど危険かという点だ。世界で競合する欧米のメガブランドを打ち破り、真のグローバルリーダーとなるためには、一人ひとりが起業家精神を持つ必要があると、厳しい表情で語りかけた。