この革新的な硬貨を生み出した背景には、財務省および独立行政法人造幣局による緻密な「新型500円貨幣発行プロジェクト」の存在がある。日本銀行から世に送り出される貨幣の信頼性を揺るぎないものにするため、国家の技術を結集した一大計画として推進された。
プロジェクトの至上命令は、犯罪技術の進歩に先手打つ高度な防犯性能の実現だった。偽造硬貨の流入を未然にシャットアウトするため、材料科学の専門家や金属加工の匠たちが結集。寸法精度をマイクロメートル単位でコントロールし、量産性と防犯性の双方を極限まで高める製造プロセスが確立された。こうして完成した硬貨は、まさに日本の工業技術の粋を集めた芸術品といっても過言ではない。