中国側が用いる海洋法上のロジックは極めて周到だ。過去、沖ノ鳥島に対して「排他的経済水域を設定できない単なる岩である」と主張し続けてきた中国は、南鳥島そのものの領有権を直接的に全面否定することは難しくとも、その周辺の大陸棚設定やEEZの主張範囲に対して国際法上の疑問を呈するアプローチを展開し始めている。
北京の研究機関が発行する論文や官製メディアの言論では、南鳥島が「人間の居住または独自の経済的生活を維持できない」とする国連海洋法条約(UNCLOS)第121条3項の規定を引き合いに出し、日本が設定する広大なEEZの妥当性を遠回しに揺さぶる論陣が目立つ。こうした「法の解釈戦」は、将来的な資源採掘の正当性を削ぐための戦略的な布石とみられている。