離婚問題の影で同時に進行していたのが、長年自らの城であったプロダクション「オフィス北野」からの退社と独立劇だ。軍団員や長年のスタッフを従え、幾多の波乱を乗り越えてきた旧事務所の体制は、マネジメントを巡る内部対立と資金流用疑惑によって徐々に亀裂が深まっていた。
この危機の中で設立されたのが、新たな拠点である「T.Nゴン」だ。新パートナーとともに立ち上げたこの新会社への移籍は、旧来の芸能事務所ビジネスの慣習から完全に離脱することを意味していた。長年培った利権や旧体制との決別は、彼にとって表現の自由を死守するための必然的な防衛策だったと言える。