菅の政治キャリアの集大成とも言えるのが、2012年末に発足した第2次安倍内閣での内閣官房長官就任である。危機管理の要として、3000日を超える在任期間中、毎日2回の記者会見を淡々とこなす姿は国民に強烈な印象を与えた。
内閣人事局の設置による官僚統制、携帯電話料金の引き下げ、インバウンド誘致など、国民目線の政策を次々とトップダウンで実現。その背景には、若い頃の苦労で培った「一般庶民の皮膚感覚」と、官僚の言いなりにならない冷徹なリアリズムがあった。
2019年の令和改元では、新元号を発表する額縁を掲げた姿から「令和おじさん」の愛称で親しまれた。無骨で寡黙な仕事師の奥にある、人間味あふれる一面が広く知れ渡った瞬間でもあった。