近年、ネット上のコンテンツは複雑化の一途をたどっていた。高度な文脈理解を求めるミームや、内輪ネタが溢れる中で、このドリル芸の「わかりやすさ」は逆に新鮮だった。難しい伏線回収も、政治的なメッセージも一切ない。ただただ、棒で胸元をドリルされるか否かという究極の二択が繰り返されるだけだ。
この極限まで削ぎ落とされたミニマリズムこそが、SNSのレコメンドアルゴリズムに最も好まれる要素だった。ユーザーが動画を最後まで視聴し、何度もループ再生するため、エンゲージメント率が異常な数値を叩き出す。結果として、世界中のユーザーのフィードに強制的に表示されることとなった。