牡蠣を口にしてから身体に異変が生じるまでの「潜伏期間」は、原因となる病原体によって異なる。一般的に知られるノロウイルスによる食中毒の場合、感染から発症までの時間は24時間から48時間程度とされる。つまり、昨晩食べた牡蠣の「つけ」が、翌日の夜や翌々日の朝に突如として回ってくる計算だ。ただし、腸炎ビブリオなどの細菌性食中毒であれば10時間前後、あるいはアレルギー反応や貝毒によるものであれば食後数十分から数時間で急激な症状が現れるケースもある。
症状の特徴は、激しい吐き気、嘔吐、そして差し込むような腹痛と水様性の下痢だ。38度前後の発熱や強烈な倦怠感、関節痛を伴うことも珍しくない。国立感染症研究所がまとめた疫学調査データでも、冬季の感染性胃腸炎の大部分はウイルス性が占めており、特に牡蠣をはじめとする二枚貝の生食や加熱不足が主なトリガーとなっている。喉の渇きを感じた時には既に脱水が進行していることも多いため、自身の体調変化には極めて過敏になる必要がある。