『スパイダーマン3』を手掛けたサム・ライミ監督は、ホラー映画出身ならではの過激な演出とコメディ要素を融合させる手腕に定評がある。マーベル・コミックを原作とする壮大なヒーロー映画でありながら、どこか狂気を孕んだキャラクター描写は彼の独壇場だ。
ジェームズ・フランコ演じるハリー・オズボーンは、父の復讐に燃えるダークヒーローでありながら、どこか甘やかされた御曹司としての幼さも残す複雑な男だ。パイを一口食べて浮べた笑みには、狂気と無垢さが背中合わせに同居している。この独特な演技があったからこそ、突飛な日本語訳が浮いてしまわず、むしろ作品の不気味な魅力を引き立てる結果となった。