日本のウィンタースポーツ史において、1998年長野オリンピックの団体金メダルほど人々の記憶に刻まれた瞬間はない。1994年リレハンメル大会での痛恨の失敗という重圧を背負いながら、原田雅彦は大吹雪のなか大ジャンプを飛んでみせた。そしてエース船木和喜へとバトンをつなぎ、悲願の頂点へと駆け上がった。
だが、あの金メダルの裏には猛吹雪の中で命がけの跳躍を続けた25人の「テストジャッパー(試走組)」の存在があった。悪天候で競技中断となった際、彼らが安全に飛べることを証明しなければ日本チームの金メダルは消滅する危機に瀕していた。極限状態での団結と信頼が、あの奇跡を支えた本質的な真実である。