記憶に新しいのが、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』での圧巻の演技だ。深津絵里は、10代の少女期から熟年期までを一人で演じ切るという前代未聞の役に挑んだ。放送開始当初は年齢的な懸念を抱く声も一部にあったが、作品が始まるとその圧倒的な表現力で観客の心を鷲掴みにし、批評家や視聴者から絶賛の嵐が巻き起こった。
親子三代にわたる100年の物語を描いたこのヒューマンドラマにおいて、彼女が放つ哀愁とぬくもりは物語の核心となった。時代を超えて受け継がれる家族の絆というテーマは、まさに彼女自身が育んできた家族との深い関係性と重なり合う。過酷な撮影スケジュールの中でも常に凛とした姿勢を保ち続けた背景には、遠く離れた地で長年闘い続けてきた父親のタフな生き様への尊敬があったのかもしれない。