モデルとしての頂点を極めつつあった彼が、演技の道へ踏み出したのは1999年のことだ。是枝裕和監督の映画『ワンダーライフ』への出演が、俳優・伊勢谷友介の誕生を告げた。「死後の世界で一生の思い出をひとつだけ選ぶ」という難解なテーマの中で、彼はありのままの青年を等身大で演じきってみせた。
カメラの前に立った瞬間に発せられるドキュメンタリーのような臨場感。セリフの間や目線の動きひとつにも、どこか退廃的で危険な魅力が宿っていた。同作は海外の映画祭でも高い評価を受け、俳優としての第一歩から国際的な熱視線を浴びることとなった。