近年の実写映画の中でも、とりわけ高い評価を獲得したのがNetflix映画『パレード』だ。監督・脚本を務めた藤井道人が描いたのは、遺された者たちの切ない記憶と再生をテーマにした珠玉のヒューマンドラマである。
本作で長澤まさみが演じたのは、旅立った自覚のないまま迷い込む元テレビレポーターの美奈子。一方、リリー・フランキーは、彼女を温かく迎え入れる元極道でスナックの店主・マイケル役を味わい深く演じきった。悲しみの中に佇む二人がかわす言葉の数々は、観客の感情を強く揺さぶる。藤井道人監督が生み出す圧倒的な美意識とリアリティの中で、二人の演技は作品に普遍的な温もりを注入した。