ラジオでの語り手としての顔も根強いファンを持つ。radikoの普及によって全国どこでも声が届くようになった現在、彼女の語り口は深夜の静寂や日常の作業背景にすっと溶け込む。
文藝春秋などから発表される作品群やコラムにおいても、世相に対する眼差しはブレない。政治や社会問題から、大相撲の取組、街で見かけた怪しげな看板に至るまで、観察の対象は多岐にわたる。自身が経験した性別にまつわる物語も、数ある観察対象の中の「ひとつの事実」として同列に扱われる。この公平で冷静な視点が、読者やリスナーに強い安心感を与えているのだ。