なぜ、きのこは凍らせると美味しくなるのか。その答えは、細胞構造の変化にある。生のきのこは強固な細胞壁に覆われており、加熱調理だけでは内部の旨味成分が十分に外へ溶け出さない。しかし、冷凍することによって水分が膨張し、氷の結晶が細胞壁を内側から劇的に破壊するのだ。
解凍および加熱の過程で細胞から分解酵素が働き、三大旨味成分の一つであるグアニル酸が大量に生成される。実験データによれば、生のまま調理した場合と比較して、冷凍きのこから引き出される旨味成分は数倍に跳ね上がることが確認されている。出汁をとる際にも、水から加熱するだけで一気に濃密なコクが引き出されるのだから、使わない手はない。