久石譲の手掛けるジブリ音楽は、映画館のスクリーンの枠を完全に飛び越え、世界のクラシック音楽界における一大興行現象へと進化を遂げました。
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン、パリのラ・デファンス・アリーナなどで開催されるオーケストラコンサート「Joe Hisaishi Symphonic Concert」は、数万人規模の会場が数分で完売する異常事態が定例化しています。現地オーディエンスが「人生のメリーゴーランド」や「アシタカせっ記」の第一小節で熱狂のスタンディングオベーションを送る姿は、各国の音楽メディアでも大きく特集されました。
国内の楽器演奏シーンにおいても、ジブリ楽曲の需要は極めて強固です。ヤマハや全音楽譜出版社をはじめとする大手出版社から発売されているピアノ楽譜は、初級者向けの平易なアレンジから、久石氏本人の演奏を完全採譜した上級者向けソロ譜まで、楽器店の実売ランキング上位を独占し続けています。
SNSや動画共有サービスを検証しても、「弾いてみた」動画の再生回数が数千万回に達するケースが散見され、クラシックピアノ愛好家からポピュラー音楽ファンまでを取り込む「もっとも演奏されている現代楽曲群」としての実態が浮き彫りになっています。