かつては皮膚科などの医療機関で処方される医療用医薬品に限られていたトラネキサム酸だが、2000年代後半に大きな転換期を迎える。第一三共ヘルスケアが一般用医薬品(OTC医薬品)として「トランシーノ」を発売したことで、ドラッグストアで手軽に購入できる環境が整ったのだ。
このヒットは日本の医療美容の風景を一変させた。美容クリニックへ通わずとも、自宅で手軽にシミ改善を目指せる内服アプローチは爆発的な支持を獲得し、今日に至るまで市場を牽引し続けている。
手軽に入手できるようになったからこそ、服用者の母数は飛躍的に増えた。その結果、日常の小さな変化や加齢に伴う髪質の変化を薬のせいだと疑う声も、比例してネット上に蓄積されることになったという背景がある。