男子棒高跳び世界記録は何M?デュプランティス驚愕の跳躍と進化の全貌

男子棒高跳び世界記録は何M?デュプランティス驚愕の跳躍と進化の全貌

男子棒高跳び世界記録は何M?デュプランティス驚愕の跳躍と進化の全貌とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

棒高跳びという種目に対して、ネット上ではしばしば「現代のポールはグラスファイバーやカーボン製で異常にしなるため、道具の力で跳んでいるだけではないか」「昔の木製や金属製ポール時代と比べるのは不公平だ」という誤解が散見されます。しかし、バイオメカニクスの観点から言えば、この認識は決定的な誤りです。

カーボンファイバー製の硬質なポールは、たしかに莫大な弾性エネルギーを蓄えます。しかし、その強烈なしなりを生み出すためには、時速36kmを超えるスプリント能力と、助走の運動エネルギーをロスなくポールへと伝える強靭な体幹・筋力が必要不可欠です。事実、デュプランティスは100メートルの公認ベストとして10秒57(追い風参考では10秒3台)を記録しており、単独のスプリンターとしても国内トップレベルのスピードを誇ります。

助走スピードが遅い選手が硬いポールを使えば、ポールは全くしならず、跳躍者はそのまま弾き飛ばされて大怪我を負うことになります。デュプランティスが跳躍時に使用しているのは、一般の選手では押し込むことすら不可能な超高剛性の特注ポールです。時速37km近いスピードで突入し、身体にかかる数Gの衝撃を全身で受け止めながら、空中で完璧な倒立姿勢(インバート)へと移行する驚異的な身体操作能力があって初めて、あの驚愕の放物線が描かれます。道具の進化は、それを使いこなせる「極限の人間」が現れて初めて記録へと昇華するのです。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。