歯石除去を受けた直後に多くの人が驚くのが、歯の根元に見える黒っぽい隙間です。一部では「乱暴な器具操作で健康な歯を削り取られたのではないか」と疑う声も上がりますが、これには解剖学的な明確な理由があります。
歯石取りで隙間ができる理由は、歯石によって慢性的な炎症を起こし赤くブヨブヨに腫れ上がっていた歯肉が、原因物質を取り除かれたことで健康なピンク色に引き締まるためです。これまで「歯石の塊」と「腫れた歯肉」によって無理やり埋められていたスペースが露出し、本来あるべき歯の輪郭が戻っただけに過ぎません。決してドリルで歯を削り取っているわけではないのです。
あわせて頻発するのが「痛すぎて拷問のようだった」という苦痛の訴えです。歯石取りが痛すぎる理由は、歯石が歯周ポケットの奥深くまで侵入し、知覚の過敏な歯根面に頑固にこびりついている点にあります。特に歯肉炎が重症化している部位では、超音波スケーラーの微細な振動や水流が触れるだけでも鋭い痛みが走ります。
さらに施術後、数日間にわたって冷たいものがしみる症状が現れます。この歯石取り後の知覚過敏の期間は、通常数日から2週間程度で落ち着きます。歯石という分厚い「防寒着」を脱ぎ捨てた歯根が一時的に外気や温度変化に晒されることで生じる一過性の反応であり、唾液中のカルシウム成分によって歯の表面が再石灰化されるにつれて自然と消失していきます。