映画『九十歳。何がめでたい』において、主演の佐藤愛子役を演じたのは名女優・草笛光子でした。撮影当時、草笛氏自身も90代を迎えており、「90代の現役女優が90代の現役作家を演じる」という日本映画史上極めて稀有なプロジェクトとして大きな話題を呼びました。
試写会や舞台挨拶の折、草笛氏は「愛子先生の怒りのエネルギーと、内に秘めたチャーミングな温かさをどう表現するかに全霊を傾けた」と語っています。完成した映像を観た読者や観客からは、スクリーン越しに伝わる2人の表現者の気概に圧倒されたという声が続出しました。
映画のヒットは、単なる懐古趣味ではなく、SNS社会や過剰なコンプライアンスに息苦しさを感じる現役世代にとっても「言いたいことを率直に言い放つ痛快さ」が強いカタルシスをもたらした証左と言えます。