「中野駅北口の商店街」と一括りにされがちな中野サンモール商店街と中野ブロードウェイですが、両者の都市計画上の位置づけや商業的役割はまったく異なります。サンモールを真っ直ぐ北へ進むと自然にブロードウェイの建物内へ吸い込まれるため、観光客の多くは「一つの巨大な商業施設」と認識しがちですが、実際には組織運営から空間設計まで明確な境界線が存在します。
サンモールは屋外道路に屋根を架けた「商店街振興組合」が管轄する開放的なアーケード空間であり、衣食住の生活インフラを支えるチェーン店や老舗飲食店が平面的に並びます。一方の中野ブロードウェイは1966年に開業した複合型ビル(区分所有建物)であり、地下1階から地上4階までの立体迷宮の中に、まんだらけをはじめとするサブカルチャーショップや高級時計店、マニアックな専門店が密集しています。
都市空間の設計という観点から見ると、駅直結のサンモールが「日常の生活動線」として広口の漏斗(じょうご)の役目を果たし、訪れた人々をスムーズに奥のブロードウェイへと誘導しています。この二層構造こそが、中野北口エリアが常に高い求心力を保持し続ける最大の仕掛けです。