体外受精の治療プロセスは、大きく分けて「採卵周期(卵子を育てて採取し、受精・培養する期間)」と「胚移植周期(受精卵を子宮に戻して着床を待つ期間)」の2つのフェーズで構成されます。採卵した同一周期にそのまま移植を行う「新鮮胚移植」もありますが、現在は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防や着床率向上を目的に、受精卵を一度凍結保存してから別周期に戻す「凍結融解胚移植」が全体の8割以上を占めています。
採卵から妊娠判定までのトータル期間は、全胚凍結を行う標準的なケースで最短約2〜3ヶ月が目安です。生理周期をリセットする期間や、卵巣のコンディション調整を挟む場合は4〜6ヶ月を要することもあります。
全体の標準的なタイムラインは以下のステップで進行します。
- ステップ1:採卵周期の開始(月経1〜3日目)
ホルモン値の基礎血液検査および超音波検査を実施。排卵誘発の方針を決定。 - ステップ2:卵胞発育・注射期間(月経3〜11日前後)
排卵誘発剤の連日投与と、卵胞のサイズ・血液中エストロゲン(E2)濃度のモニタリング。 - ステップ3:トリガー投与・採卵(月経12〜15日目頃)
採卵の34〜36時間前にhCG注射または点鼻薬で卵子を成熟させ、採卵手術を実施。同日に精子を採取・調整して媒精(体外受精または顕微授精)。 - ステップ4:受精・培養・凍結(採卵後1〜6日目)
受精卵を培養し、初期胚(3日目)または胚盤胞(5〜6日目)の段階で凍結保存。 - ステップ5:胚移植周期(次周期以降の月経開始後)
子宮内膜の厚さをコントロールしながら最適な移植日を決定し、カテーテルを用いて子宮内へ胚を移植。 - ステップ6:着床判定(移植後9〜14日目)
血液検査または尿検査にて血中hCG値を測定し、妊娠判定を行う。