ネット上の掲示板やレビュー欄を眺めると、「窓断熱シートを貼ったが全く効果がなかった」「寒さも結露も防げない」という否定的な口コミが散見されます。しかし、住まいの発見館が公開している断熱性能データや建材メーカー(3M、YKK AP等)の実測検証によれば、窓ガラス面における熱貫流率(U値)そのものは、プチプチ状の気泡緩衝材シートを貼るだけで約20〜30%程度改善されることが科学的に実証されています。
それにもかかわらず利用者が「効果なし」と体感してしまう背景には、3つの構造的な要因が存在します。
第1に、「アルミサッシ部分の熱橋(ヒートブリッジ)」です。日本の賃貸物件の多くで採用されているアルミサッシは、樹脂サッシの約1,000倍もの熱伝導率を持ちます。ガラス面にいくら断熱シートを貼り巡らせても、金属フレーム部分から容赦なく外の冷気が室内に伝わり、部屋全体の温度を押し下げてしまいます。
第2に、「コールドドラフト現象の放置」です。窓ガラスで冷却された空気は重くなり、床面に向かって滝のように流れ落ちて足元を冷やします。シートでガラス単体の冷えをある程度緩和しても、窓とカーテンの隙間から冷気が下部に流出していれば、体感温度は劇的には向上しません。
第3に、「結露の発生メカニズムと湿度の関係」です。断熱シートはガラス表面の温度低下を和らげるため、シート表面の結露を抑制する力は持っています。しかし、室内で石油ファンヒーターを使用したり加湿器を高稼働させたりして過剰な水蒸気が発生している場合、シートを貼っていないサッシの隙間やシートとガラスの密着不良箇所に結露が集中し、かえってカビの温床となる弊害を生みます。