なぜこれほどまでに空港到着の早まりが推奨されるようになったのか。その背景には、航空安全と運行の定時性を両立させるための法規制と現場の課題がある。
国土交通省は近年、ハイジャック対策や機内安全の全般的な強化を目的として、検査機器の最新化と目視チェックの厳格化を旅客航空運送業各社に強く求めてきた。斉藤鉄夫前国土交通相の在任期間中にも、テロ対策や国際基準に準拠したセキュリティスキームの推進が積極的に進められ、国内線の検査水準はかつてない高みに達している。
この結果、最新型のCTスキャナーやスマートレーンの導入が進む一方で、微細な金属物や液体物、電子機器の再検査件数が増加。保安検査場のボトルネック化が進行し、1人あたりの検査時間が延びることで、便全体の出発遅延へと波及する悪循環を防止するため、各社は乗客に対して早めの検査場通過を強く要請しているのだ。