ガス灯が灯る夕暮れの銀山温泉街は、息をのむほど美しい。しかし、その人気の高さゆえに、目抜き通りは日没前後になると多くの観光客で混み合うのが近年の日常風景となっている。銀山荘の最大の強みは、その喧騒から絶妙な距離を保っている点にある。
宿のロビーや客室の大きな窓一面に広がるのは、手つかずの自然が織りなす仙峡の四季だ。春の新緑、夏の濃密な深緑、秋の全山紅葉、そして冬の静まり返った銀世界。季節の移ろいを肌で感じながら過ごす時間は、日常で擦り減った感覚を鮮やかに研ぎ澄ましてくれる。散策へは歩いてすぐに出かけられ、宿に戻れば完全なプライベート空間が約束されている。この「近くて遠い」絶妙な立地こそが、目の肥えたリピーターを惹きつけてやまない。