ネット上のレシピサイトなどでは「もち粉がなければ片栗粉だけで作っても同じ」という情報が散見されますが、これは明らかな誤解です。確かに片栗粉(馬鈴薯デンプン)は加熱によってパリッとした軽快な食感をもたらしますが、保水性ともちもちとした粘弾性を持たないため、揚がった直後から徐々に大気中の湿気を吸ってフニャフニャと崩れてしまいます。
もし家庭にもち粉のストックがない場合の代用としては、片栗粉単体ではなく「白玉粉」をすり鉢で細かく粉末状にして使用するか、あるいは「上新粉(うるち米粉)と片栗粉を1:1でブレンドする」方法が最も近い仕上がりになります。白玉粉の原料はもち粉と同じもち米であるため、粒子さえ細かく砕けば本来のモチコチキンが持つ吸水性と食感の骨格を損なわずに再現できます。
また、揚げ油の温度管理に対する油断も典型的な失敗例です。前述の通りタレに砂糖が多く含まれるため、「唐揚げと同じ感覚で180℃強の油に放り込んだら、外側が真っ黒に焦げて中は生焼けだった」というトラブルが後を絶ちません。165〜170℃の低温スタートと二度揚げの原則を守ることが、黄金色の美しいモチコチキンを揚げる絶対条件です。