ネパール語のありがとう「ダンニャバード」使わない理由と現地の真実

ネパール語のありがとう「ダンニャバード」使わない理由と現地の真実

ネパール語のありがとう「ダンニャバード」使わない理由と現地の真実の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

大手旅行口コミサイト、知恵袋、X(旧Twitter)などのSNSコミュニティ、そして実際にネパールに赴任する青年海外協力隊(JICA海外協力隊)の報告書を定点観測すると、言葉の壁に関する生々しい体験が多数報告されています。

「ネパール旅行中、タクシーを降りる際に『ダンニャバード』と言ったら、運転手から笑われた。バカにされたのかと最初はショックだったが、後でガイドに聞いたら『外国人観光客が急に大仰な演説の結び言葉を使ってきたから可愛くて笑ったんだよ』と説明され、納得した」(30代・男性バックパッカーの投稿)

「現地のNGOで働き始めた頃、オフィススタッフに書類を渡されるたび『ダンニャバード』を連発していたら、上司から個別に呼び出され『あなたは私たちをまだ同僚として信頼していないのか?そんな言葉を使うのはやめなさい』と厳しく指導された。日本的な礼儀作法が、ここでは不信感の表れになってしまうカルチャーショックを痛感した」(20代・国際協力NGOスタッフ)

これらの声が裏付けるのは、言葉の過剰さによる関係性の歪みです。日本社会において「すみません」「ありがとうございます」は対人関係の摩擦を未然に防ぐクッション言葉として機能していますが、ネパール社会において人間関係は元より「互いに寄りかかり合って生きるもの(共生)」として定義されています。過度な感謝は、その精神的一体感を断ち切る行為に他ならないのです。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。