インターネット上の健康情報やレシピ投稿で極めて頻繁に見受けられるのが、「ナツメ(棗)」と「デーツ(ナツメヤシの実)」の混同です。名前の響きや赤茶色の見た目が似ていることから同一視されがちですが、植物分類学的にも栄養構成的にも全くの別物です。
ナツメは「クロウメモドキ科」の落葉小高木で、原産は中国から西アジア。古来より漢方薬の生薬名「大棗(たいそう)」として葛根湯や甘麦大棗湯などに処方され、気血を補い消化機能を助ける目的で使われてきました。一方のデーツは「ヤシ科」の常緑高木であるナツメヤシの実で、中東や北アフリカの砂漠地帯が原産です。黒糖のように強烈な甘みとねっとりした食感が特徴で、エネルギー補給源として重宝されてきました。
この2つを混同したまま料理に使うと、「レシピ通りに作ったのに甘みが足りない」「想像していた食感と全く違う」という失敗につながります。また、糖質制限を意識している方にとっても、糖度の性質が異なるため注意が必要です。購入時にはパッケージの原材料名を確認し、クロウメモドキ科の「ナツメ(棗)」と記載されているか確かめることが重要です。