紙屋町側の起点から八丁堀方面へと歩道を進むと、かつて見慣れていた看板が姿を消し、洗練されたガラスファサードの新店舗が立ち並んでいることに気付きます。SNS上では「学生時代に通った店が立て続けになくなっている」「ドラッグストアやブランドの大型店ばかりになったのでは」といった戸惑いの声が少なくありません。しかし、現場を定点観測すると、単なるチェーン店化とは異なる熱気を帯びていることが分かります。
広島本通商店街のアーケード下では、2026年の新サッカースタジアム開業以降、試合日やイベント開催時における通行人の属性が大きく変化しました。広島商工会議所や商店街振興組合の観測データに目を向けると、休日の歩行者通行量は前年比108%と堅調な回復基調を維持しています。特に目立つのは、ユニフォーム姿のサポーターや国内外からの個人旅行者です。
「昭和から続くアパレル個人店が消滅した」という嘆きがある一方で、広島アンデルセンをはじめとする旗艦店には長蛇の列ができ、地元発祥のクラフト系ショップやテイクアウト専門店には若い世代が詰めかけています。激変する街並みに驚きの声が上がる最大の理由は、街が衰退したからではなく、広島市中心部全体の都市構造転換に合わせて商業機能のスクラップ&ビルドが極限まで加速しているからにほかなりません。