政府の地震調査研究推進本部は、南関東地域においてマグニチュード7クラスの首都直下地震が発生する可能性について、「今後30年以内に約70%」という極めて高い切迫度を提示し続けています。中央防災会議の被害想定では、最悪のシナリオにおいて死者約2万3,000人、経済被害は95兆円規模に達すると推計されています。
それにもかかわらず、今回の微小な揺れの後、都内の街路では何事もなかったかのように歩行を再開し、誰一人として頭上を確認しない風景が広がっていました。ここには、災害心理学でいう「正常性バイアス(Normalcy Bias)」の強烈な作用が見て取れます。「これくらいの揺れならいつも通り大丈夫」「周囲の誰も逃げていないから問題ない」という同調バイアスが重なることで、都市生活者は無意識のうちに破滅的リスクを過小評価してしまうのです。
【プロの結論】備えるべき人・過小評価している人の判断基準
首都圏で暮らす以上、「地震が起きるか否か」ではなく「起きたときに破綻するか否か」が唯一の判断水準となります。報道の現場から警鐘を鳴らすべき明確な分水嶺は以下の通りです。
- 即座に対策を強化すべき人:高層階(10階以上)に住みながら家具固定をしていない世帯、自宅に最低7日分の飲料水(1人1日3L換算)と非常用簡易トイレを備蓄していない人、家族間の災害時連絡手段をLINEや電話など単一ルートに依存している人。
- 過小評価を脱している人:「震度3」をただの日常の揺れで終わらせず、室内の備蓄期限やモバイルバッテリーの残量をチェックするトリガーとして活用できる人、最寄りの広域避難場所と徒歩帰宅ルートの危険箇所を実地確認している人。