入国カードが不要となったことで、タイ入国審査現在の現場風景は劇的に変化しています。バンコクの二大玄関口であるスワンナプーム国際空港(BKK)とドンムアン国際空港(DMK)における審査手続きの実態を検証します。
スワンナプーム国際空港:自動化と生体認証の導入による変化
スワンナプーム空港入国手続きでは、従来のような「書類のチェックとスタンプ押し」に費やされていた時間が大幅に削減されました。現在、外国人専用の入国レーンでは以下のステップで審査が進みます。
- 入国審査官のブースへ進み、パスポートと搭乗券を提示する。
- ブースに設置された小型カメラで顔写真の撮影を行う(メガネや帽子、マスクは外す)。
- 指紋スキャナーに指定された指(両手の親指・人差し指等)を押し当て、生体情報を照合する。
- 審査官がパスポートに入国スタンプを押し、滞在期限(日本人の観光目的・ビザ免除なら原則最大60日間など規定の日数)が印字されたことを確認して返却される。
現地空港の現場取材およびSNSに投稿された渡航者の証言によると、「紙のカードを一切渡さず、パスポートを機械にかざして顔を向けただけで審査が終わった。かつてのような長蛇の列はなく、着陸から30分足らずで荷物受取場に出られた」という驚きの声が多数を占めています。スワンナプーム空港では出入国自動化ゲート(Auto-gate)の外国人向け開放やシステムの拡充が段階的に進んでおり、手続きのデジタル化が急速に定着しています。
ドンムアン国際空港:LCC集中時間帯の待ち時間と審査官の着眼点
一方、エアアジアをはじめとするLCCの拠点であるドンムアン空港入国審査では、少し状況が異なります。ドンムアン空港は施設の構造上、アジア各国からのフライトが重なる夕方から深夜にかけて入国審査場が一時的に混雑する傾向が残っています。
取材に応じた現地邦人や個人旅行者のリアルな体験談では、「入国カードの提出は不要だったものの、審査官から『タイでの滞在日数は何日か』『帰国便のEチケットを見せてほしい』と英語で口頭確認された」という事例が報告されています。書類の記入がなくなった分、審査官は「不法就労目的ではないか」「十分な滞在資金と出国手段を持っているか」をシステム画面と直接の問答で厳格に見極める運用へとシフトしています。