インターネット上に蔓延する手相情報の最大の弊害は、「左手に凶相がある=生まれながらに呪われた運命であり、一生逃れられない」という決定論的な誤解を読者に植え付ける点にあります。この盲点を正すためには、以下の2つの絶対的ルールを知る必要があります。
第1の盲点は、「左手の凶相が、右手に現れていなければ実害化していない」という事実です。前述の通り、左手は先天運(素質・潜在的弱点)であり、現実に事象が起きているかどうかは右手を照合しなければ判断できません。たとえば左手の生命線が途切れていても、右手(後天運)の生命線が太く途切れなく弓なりに描かれていれば、幼少期の虚弱体質を本人の食事管理や運動習慣によって完全に克服したことを意味します。内面的な弱点を行動によって補い、現実の災厄をすでに無効化しているケースが全体の過半数を占めるのです。
第2の盲点は、「凶相とは、事前に防ぐことができる脆弱性診断(リスクアセスメント)である」という点です。航空機のコックピットに警告ランプが点灯した際、パイロットは墜落を嘆くのではなく、計器を確認して燃料補給や高度調整を行います。手相の障害線や島も全く同一の機能を果たしています。「対人関係で孤立しやすい気質がある」「胃腸系に負担がかかりやすい」という事実をあらかじめ左手から読み取り、先手を打って対策を講じるための羅針盤こそが手相の真価です。
凶相を「避けられない悲劇の予告」と捉えるのは中世の迷信に過ぎず、現代における手相学は、自己客観化のための最高精度のメンタルヘルスツールとして再定義されています。