消化器官への負担だけでなく、摂取したはずの貴重な栄養成分が体内で相互に打ち消し合ってしまう現象も解明されつつある。公益社団法人日本栄養士会も、日常の栄養指導において食材ごとの相互作用に注意を払う重要性を指摘している。
例えば、鉄分を豊富に含む赤身肉や生菜食と、タンニンを多く含む濃いお茶やコーヒーの同時摂取だ。タンニンは非ヘム鉄と強力に結合して不溶性の錯体を形成するため、腸管からの鉄分吸収率を劇的に低下させてしまう。また、生のカツオや生の貝類に含まれる酵素チアミナーゼが、同時に食べた他の食材に含まれるビタミンB1を破壊してしまうリスクも確認されている。知らず知らずのうちに栄養の「相殺」を引き起こさないためには、タイミングをずらして摂取する工夫が必要だ。