さんぴん茶という独特の呼称には、沖縄が歩んできた東アジア交易の豊かな歴史が刻まれています。そのルーツは、14世紀から16世紀にかけて栄華を極めた琉球王国時代にまで遡ります。
当時の中継貿易において、中国(明・清)から琉球へ輸入されていた高級茶葉が「ジャスミン茶」でした。中国語でジャスミン茶を指す別名「香片茶(読み方:シャンピエンチャ)」の音が、琉球の言葉の中で自然に変化し、「サンピエン茶」を経て現在の「さんぴん茶」という呼び名として定着したと伝えられています。
日本本土では鎖国期を経て独自の抹茶・煎茶文化が発展しましたが、海を渡る交易拠点であった沖縄では、中国南方や台湾との繋がりからジャスミンの香り高い花茶が日常に浸透しました。高温多湿な亜熱帯気候において、華やかな香りで気分をリフレッシュさせ、暑さを乗り切るための生活の知恵としても、さんぴん茶は島民の生活になくてはならないインフラとして受け継がれてきたのです。