ネットの検索サジェストは時に、まったく無関係な事象を強引に結びつけて怪物のごとき噂を作り出す。この不可解な組み合わせが生まれた背景を辿ると、複数の要因が絡み合っていた。
過去に芸能界で発生したヘリウムガスに関連する事故の記憶や、別のアジア系輸入ビジネスを手掛ける実業家のスレッドが掲示板で混同されたこと。そこに「若手起業家が特殊な産業資材に投資しているのではないか」という根拠のない憶測が加わり、検索アルゴリズムがそれを「関心度の高い関連ワード」として拾い上げてしまったのだ。
一度サジェストに表示されると、ユーザーは「一体何があったのか」とクリックを重ねる。クリックが集まればさらに上位へ表示されるという検索エンジンの皮肉なスパイラルが、実態のないキーワードを一人歩きさせた最大の要因である。