2026年に入り、米USスチールとの実質的な事業統合が本格稼働へと移行した。政治的思惑に翻弄された過酷な買収劇を乗り越え、日本製鉄が手に入れたのは、北米自動車市場およびエネルギー向け高級鋼の堅調なパイプラインだ。現地の高炉再編やエネルギー効率化ノウハウの移植は順調に進み、北米事業の利益貢献度は市場の当初予想を上回りつつある。
しかし、手放しでの称賛は尚早だろう。巨額の買収資金に伴う有利子負債の膨張は、金利が依然として高止まりするグローバル環境下で確実な金利負担となって重くのしかかる。財務健全性の維持と成長投資のバランスをどう保つのか。貸付金の返済スケジュールやリファイナンスの動向に対し、格付機関やアナリストの警戒の目は緩んでいない。