インターネット上では「屋上なら何を置いても自由」「マンションの屋上は住人の共有財産だから自由に入れる」といった誤った認識が散見されます。しかし、そこには法令および管理規約上の明確な境界線が存在します。
建築基準法が定める手すりの安全基準
戸建て・集合住宅を問わず、人が出入りする屋上広場やバルコニーには、建築基準法施行令第126条により、高さ1.1メートル以上の手すり壁(パラペット)や柵の設置が義務付けられています。
ここで注意すべき盲点が「足がかり」の存在です。手すり自体の高さが1.1m以上あっても、手すりのすぐ内側にエアコン室外機、プランター、ベンチ、ウッドデッキなどを配置すると、子どもの踏み台となり転落事故を引き起こす危険性があります。消費者庁や建築専門家も、手すりから60cm以内には足がかりになる物品を配置しないよう強く警告しています。
マンション屋上立ち入りと専有使用権の壁
分譲マンションにおける屋上は、原則として「共用部分」に該当します。非常時の避難ハッチや設備点検用の通路として位置付けられていることが多く、日常的なマンション屋上立ち入りは管理規約によって厳格に禁止されているケースが大多数です。
一方、最上階の住戸などに付帯する「専用使用権付きルーフバルコニー」であっても、完全な私有地ではありません。規約上、避難経路としての機能が優先されるため、以下のような行為は規約違反や消防法違反となる可能性が高くなります。
- アンカーボルトで地面に固定する大型物置やサンルームの設置(撤去不能な工作物)
- 避難ハッチの上をウッドパネルや大型植木鉢で塞ぐ行為
- 炭火やカセットコンロを用いた火気使用(多くのマンションで火気厳禁)