1939年、京都の由緒ある歌舞伎の家に生まれた中村玉緒。父は昭和の名優として知られる二代目 中村鴈治郎であり、幼少期から伝統芸能の息づく格式高い環境で育った。日本舞踊で鍛え上げられたしなやかな身のこなしと、名門の血筋が育んだ凛とした佇まいは、後に彼女が女優として大成するための揺るぎない礎となる。
10代半ばで映画界へと足を踏み入れた彼女は、その浮世絵から抜け出してきたかのような和風美女ぶりで一躍注目を浴びる。良家の令嬢らしい気品を漂わせながらも、カメラの前に立つと見せる直感的な演技の冴えは、周囲のスタッフや名監督たちを大いに唸らせた。