ネット上の噂やSNSの声では、時として極端なイメージが先行します。その代表例が「横浜隼人は軍隊のような厳しい管理野球であり、選手の自主性を奪っている」という論調です。
かつての高校野球界に存在した画一的なスパルタ指導の残像が、同校の「礼儀や規律を重んじる姿勢」と混同されて語られる傾向があります。しかし、現在の練習現場を取材・観察すると、その実態は大きく異なります。佐野監督をはじめとするスタッフ陣が注力しているのは、「状況に応じた選手自身の判断力」です。
軟式野球は硬式野球以上に、投手の球速だけでは勝敗が決まりません。相手バッテリーの配球の癖を読み、走者が次の塁を狙えるかどうかの瞬時の判断を選手一人ひとりに委ねています。「監督のサイン通りに動くロボット」ではなく、フィールド上の9人が自立した司令塔として機能するからこそ、全国の頂点に立てるのです。規律の正しさは選手を縛るためではなく、チームとして一瞬の隙を作らないための土台に過ぎません。