プロレスファンのみならず、関西一円のラーメン好きの間で伝説的に語られる「麺場 力皇」。店主の力皇猛氏は、大相撲・愛知ノ海(最高位・前頭四枚目)として活躍後、プロレスリング・ノアへ旗揚げから参戦。三沢光晴や小橋建太らと名勝負を繰り広げ、第7代GHCヘビー級王座に君臨した正真正銘のトップアスリートでした。2012年に頸椎損傷などの怪我により惜しまれつつ現役を引退した際、彼が選んだネクストキャリアこそが「ラーメン職人」の道でした。
有名人の飲食店によく見られる名義貸しやプロデュース形式ではなく、力皇氏は新潟屈指の実力店「麺や 来味」に住み込みで弟子入り。現役時代のプライドを一切捨て、寸胴の洗浄から仕込みの基礎までを一から叩き込む過酷な下積みを経験しました。当時のドキュメンタリー番組や手記において、力皇氏は「名前だけで客を呼ぶような中途半端な真似は絶対にしない。味で勝負できなければ引退した意味がない」と語っています。
その言葉通り、2013年12月に奈良県天理市にオープンして以来、厨房で自ら寸胴をかき混ぜ、力強い平ザルさばきで麺を揚げる姿はファンの心を打ちました。「元レスラーの店」という話題性を実力でねじ伏せ、今や関西を代表する濃厚系ラーメンの最高峰として君臨し続けています。